Après le tournoi, avant la Coupe du monde, toujours “intra-festum”….toujours la grève

ヨーロッパとはいえ、その西の端っこの方だけのことなのだけれど、先週末に終わったSix Nations Rugby、そのヨーロッパの西の端っこの島の各国のメディアの反応を、フランスのラグビーサイトRugbyramaがまとめている。戦前の予想通り、IrelandとFranceのtwo-horse raceだったわけで、直接対決を制したIrelandが5戦全勝grand chelem、かの国のメディアがお祭り状態になるのは当然のこと。Johnny Sexton礼賛。2勝しかできなかったEnglandメディアが冷静なのは、ヘッドコーチの突然の交代などあったことを受けてのことだろう、今年はこんなもんでしょう、というわけだ。

一方、3勝したScotlandは明らかに上り調子、フランス戦でも善戦したダークホースだったというべきなのに取り上げられていないのは、最終戦が対イタリア戦だったからだろう。ところが、さすがはフランスの誇るラグビーサイトである、ちゃんとRugbyramaが選ぶベスト15にScotlandから4人掬い上げていて、このあたりがRugbyramaを信頼したくなる所以である(Franceから5人、Irelandから6人だから、ハナッからそういうバランスありきだったのかもしれないけれど)。

さて、問題はWales。Franceの最終戦の相手なのだからそうなって当然ではあるものの、一番多く分量を割いており、しかもその取り上げ方がフランスらしい。

ロスタイムの間隙をついてWalesの4つ目のトライが決まった瞬間、フランスチームでディフェンスコーチを務める往年のEngland代表が激怒、地元テレビの解説を務めた往年のWales代表がそれをみて、くわばらくわばらと苦笑した、なんて記事をどうして取り上げたのかもよくわからないのだけれど、ひどいのはそのことではない。

会場のStade de France、その記者席の様子をこう伝えていると紹介している。フランスの記者はラグビー記事を書くつもりなんかない、奴らはみんなフランスの勝利を楽しもうとしているだけだ。なるほど、フランスは年金改革に反対する大規模ストの真っ最中、ははん、つまりジャーナリストの倫理観、公平性、もスト中ってわけだ・・・・そんな批判と受け取って、それを負け惜しみの揶揄のように紹介しているということだろう。

さらに、このフランスの大規模ストを、Walesがかの国のユニオンに要求して対England戦をボイコットするストライキにでる可能性のあった例の事態に絡めて、「Walesの問題はパリのゴミのように積み重なっている」、これを記事の表題につかったわけだ。

たしかにフランスの誇るMidi Olympiqueのウェブ版はWales Onlineの記事を紹介しているのに過ぎない。過ぎないのだけれど、どうやらそこには他意しかない。それがどうもフランスらしい。これもRugbyramaのいいところである。

ところで、もとのWales Onlineの記事。覗いてみると、それほど悲観的な様子でもないのではないか。France戦では終盤立て続けに2トライ返し、トライ数なら5対4である。この記事の主題はむしろ、そこに希望がある、そう言っているのだろう。

さて、今年はワールドカップの年である、Six Nationsが終わってもまだまだ祭りはおわらない。Rugbyramaもl’equipe de Franceの今後の予定を挙げている。Top14も真っ最中、6月末までまだまだ続くだろう。

一方、この週末の南半球、といっても、そのごく一角、ポリネシアかメラネシアの辺りのことに過ぎないのだけれど、こちらはSuperRugby PacificがRound 4。

BluesとCrusadersがこのコンペティションのtwo-horse raceと見ていたのだけれど、その直接対決であった。後半のBluesの猛攻で自陣ゴールラインに釘付けにされながらもそれを耐えきったCrusadersの辛勝。このディフェンス、おそらくSam WhitelockとScott Barrettの第2列を中心にしたフォワード陣のディフェンス、これがNew Zealand Rugbyの、ひいてはAll Blacksの強さの秘訣だと改めて知らされた。All Blacksのイメージといえば、たとえばRichie McCawのような人、この人もアタックの人というより、とにかくずっとディフェンスしている人という印象が、私にはどうしても、あるのだ。

ところで、two-hourse raceと書いたけれど、6 nationsにScotlandの健闘が目立ったように、Super Rugbyにもそんなダークホースがいる様子。Chiefsである。昨シーズンはサントリーにいたDamian Mackensieが今シーズンはFly halfに定着したらしい。前回のAll BlacksのセレクションからははずれたScrum halfのBrad Weberもまだまだ諦めてはいないだろう。

ところで、このChiefs、昨シーズンは沈んでいたのだけれど、そのときのヘッドコーチが、昨年末からWalesのヘッドコーチに復帰したWarren Gatlandであった・・・・他意はない。

まだまだ、祭りは終わらない。