SuperRugbyのRound 2、その第二試合目
・Rebels対Hurricanes
前半圧勝体制だったHurricanesが後半失速、あるいは、熱くなり過ぎたか、Ardie Saveaがシンビンの際に首切り仕草。一方、一試合目の
・Crusaders対Highlanders
CrusadersはほとんどAll Blacks、一方のHighlandersはAll Blacks陣はお休みだそう。このゲームは捨てたということか?ちょっと残念であった。
翌日の
・Moana Pasifica対Chiefs
キックオフのワンタッチをインターセプトしたトライをはじめ、あれよあれよChiefsの快走・・・・なのだけれど、気になったのはむしろMoana Pasificaである。知っているのは、かつてオーストラリア代表フライハーフだったChristian Leali’ifanoだけなのに・・・・。
というのも、このチームのホームページには
We should not be defined by the smallness of our islands but in the greatness of our oceans. We are the sea, we are the ocean. Pasifika is us.
海だ、われわれは海民だ、島をも国家をも超えてゆく、そんなふうに聞こえる。
Just as the ocean connects the many islands of Moana Pasifika, it connects us to the places Pasifika people have made new homes. Aotearoa, Australia, Japan, the USA.
われわれ日本人もPacificaと思っていい、それなのに、このチームに日本人がいないのが残念。
かつてサンウルブスの結成前夜、Super Rugbyに参戦するという日本チームのチーム名募集のコンペがあった。こんな名前がいいのではないか、
Masurao Pacifican 益荒男パシフィカン
チームが南アフリカのカンファレンスに参加すること、南アフリカのカンファレンスは概ね動物からチーム名をとっている、だから日本チームもチーム名に動物の名前をいれるべきだろう、それはわかっていたのだけれど、Super Rugbyなら、どうしても環太平洋方面に思いをはせたかったのだ。
Masurao「益荒男」はパシフィックリムを介してMoanaに通じる、と。
(もちろん益荒女でも益荒民でもよい。所詮その実手弱男、手弱女なのだ、われわれは)
ところで、Moana PasificaのWikiのページには
Further steps were made in March 2021, when the New Zealand Rugby Union agreed to a sharing of broadcast revenue with both Moana Pasifika and the Fijian Drua,[7] and this was followed later in the same month by World Rugby announcing financial, high performance and administrative support for both potential new sides, in order to boost the performances of Pacific Islands at international level, while also being able to stay local instead of heading overseas.[8]
とある。
つまり、島に留まっている選手をサポートしよう、島にいてもラグビーのできる環境をつくろう、ということではないか。
サモアやトンガだけではなかろう、Aotearoaニュージーランドも、オーストラリアも、南アフリカも、各国のユニオンからの選手の海外流出は深刻ではないか。ほんの数年前にはイギリスのプレミアリーグやフランスのTop14だったのが、いまや流出先ナンバーワンは、日本なのだ(いつぞやのRugbyramaの記事にあったはずだ。リーグワンの豪華さを御覧じろ)。
有名選手の海外流出によって各国ユニオンのドメスティックリーグが衰退するなら、選手個人レベルで国をまたぐのではなく、各国ユニオンのトランスナショナルな活動を志向しよう、ということになるだろう。日本のサンウルブス、アルゼンチンのジャガーズのSuperRugbyへの参加にはそうした意図があっただろう(なんで我々が日本のラグビー強化に協力しなければならないのだ、なんというNZ Heraldの記事があったけれど)。
ところが、サンウルブスもジャガーズも結局パージされてしまった。コロナによる移動制限下、ラグビーのためにニュージーランドから日本まで移動するのは遠すぎたということらしい。日本、アルゼンチンのみならず南アフリカも切り離し、結局、オーストラリアとポリネシア、メラネシア内のチームを構成したというのが今年のSuperRugby Pacificだと思っておこう。
ニュージーランドの5チームにはそれぞれ、All Blacksのメンバが揃ってなんと豪華なことよ。ところがすでに、BeaudenもAaronも、ArdieもBrodieも、まだ若手だろうにRichie Mo’ungaまで、ワールドカップ後、来シーズン以降のSuperRugbyからの離脱、日本リーグ参戦を表明してしまった。
ニュージーランドからしてみれば国家資源の海外流出、国際問題ではないか!
・・・・言い過ぎ上等、大袈裟上等。
しかしこれは、環太平洋、パシフィックリムの交流を考え直してみるいい機会なのではないか。
たとえば、日本の半導体産業。自滅して久しくいまや日本の土地と人材を台湾のTSMCに委ねている状況。いいことではないか。国内で自滅しても、パシフィックリムで相互にカヴァーしあえばいいではないか。
おなじことを農業、酪農、第一次産業で活性化すればいい、そうする必要があろう。食糧の自給率が問題になる日本の現状なのだから(文藝春秋4月号「日本の食が危ない!」・・・・巻頭エッセイ劈頭の談春「芝浜改変」には驚いた)。
土地と人材のトランスナショナルな相互利用。物理的な距離を縮めることはもちろん不可能だとしても、移動にかかる障壁を低くすることはできよう。たとえば、数週間程度の中長期滞在を簡便にするとか、直行便を安価にして増やすとか・・・・
願わくば、国家主導ではなく国家はサポートするのみ、それぞれの島が、日本も、台湾も、東南アジア諸島、トンガ、フィジー、サモア、ニュージーランドも(朝鮮半島も、中国南部も、と言いたい)、それぞれの島のそれぞれの地域相互で自主的に交流し合う、そんなことが活性化すればパシフィックリムの新しい展開が期待できるのではないか。
ラグビーであれ観光であれ、広義の文化的交流は、第一次産業をベースにした地域交流の上に乗っけて考えてみると、狭い分野にとらわれない別のイメージでとらえることができるにちがいない。
・・・・とはいえ、やっぱりSuperRugby。そのRound 3では
・DRUA対Crusaders
に快哉。Mo’ungaらを帯同しなかったとはいえ、現All Blacksの顔ともいえるSam Whitelock他、地元Fiji出身のSevu Reeceら、多数のBlacksを擁するCrusadersである。そのCrusadersを見事1点差でFijianが返り討ち。Fijian DRUAもMoana Pacificaと並んでSuperRugbyに新規参入のチームだったが、Round 1での新規参入同士の直接対決を制しているから、これですでに2勝目。我がMoanaはまだ未勝利のままである。
それにしても今年のCheifsにはビックリ、Crusadersと入れ替わったみたい。
(本論、かりそめの擱筆)
